研究課題/領域番号 |
15406017
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
青木 克己 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90039925)
|
研究分担者 |
金武 洋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50100839)
渡部 幹次 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (70325679)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
浜本 満 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (40156419)
野俣 浩一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (80189430)
|
キーワード | ビルハルツ住血吸血 / 排尿困難 / I-PSS / 尿流量 / 残尿 / 学童 / 膀胱 / ケニア |
研究概要 |
ビルハルツ住血吸虫感染による排尿困難の程度と特徴を明らかにするために、ケニア沿岸州クワレ地区(ビルハルツ住血吸虫症流行地)と中央州キアンブ地区(非流行地)に於いて学童(男子のみ)の排尿困難の調査を下記する3方法で行なった。 1)排尿困難に関する自覚症状のアンケート International Prostate Symptoms Score(I-PSS)を用いた。I-PSSは残尿感、頻尿、尿の途切れ、排尿切迫、尿線の細さ、排尿のための力み、夜尿の7項目の質問表よりなる。 2)尿流量計を用いた排尿パターンの測定 携帯用尿流量計(長菱制御システムRMS-100)を用いて、多岐にわたる排尿機能を定量的に測定した。 3)残尿量の測定 超音波を用いて、上記尿流量計測定を終えた被験者の膀胱内残尿量を測定した。 研究結果 1)I-PSSを用いた排尿困難アンケート調査結果 排尿困難の自覚症状を有すと判断される学童(I-PSSの総点8点以上)数は流行地で85名中45名で、非流行地で40名中4名であった。排尿困難の7質問についてすべてで流行地の学童が高い値を示した。 2)尿流量計による排尿パターンの測定結果 尿意をもよおしてから排尿までの時間(T.Delay)、排尿開始より尿流速が最高値に達すまでの時間(T to Qmax)など8項目について測定した。すべての項目で流行地と非流行地の値に有意の差は見られなかったが、流行地学童のT.Delayは非流行地の学童に比し短縮傾向がみられた。 3)膀胱残尿量の測定結果 流行地と非流行地の学童の残尿量は平均28.8mlと17.9mlで、両者に差はみられなかった。 以上の結果は、ビルハルツ住血吸虫感染学童は種々の排尿困難を訴えるが、排尿機能は正常であることを示している。
|