研究課題/領域番号 |
15406018
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
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研究分担者 |
木村 英作 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)
橋口 義久 高知大学, 医学部, 教授 (10037385)
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キーワード | リーシュマニア症 / 免疫診断 / 尿検体 / 組み換えタンパク / バングラデシュ |
研究概要 |
(1)簡便かつ非侵襲性の新たな免疫診断法の開発 ○抗体結合プレートを用いた診断法の開発 内臓リーシュマニア症(VL症)の「尿」診断法として、抗ヒトIgGを結合したプレートを用い、尿中の特異抗体を検出する新たな方法を開発した。この方法は肉眼で陽性の判定が容易にできること、洗浄操作が必要無いことなど、設備が整わない流行地での診断に適しており、ラジシャヒ大学医学部内科のEkram教授によってその有用が検討されている。 ○尿中抗原の検出によるVL症のactive infectionの診断 患者尿中にリーシュマニア原虫由来抗原を検出するELISA法を確立した。患者の89%が陽性と判定され、高い特異性(95%)の診断法が確立できた。従来の抗体検出に比べて、activeな感染を検出できるものと考えられ、流行地での継時的な疫学調査でその有用性を検討中である。 (2)尿ELISA法改良のためのリコンビナント抗原の作成 有用な診断用抗原としての組み換えタンパク、rKRP42が作成できた。高感度(94.3%)で、特異性の高い(99.6%)尿ELISA法となることが分かった。 (3)尿診断法の流行地への応用と評価 平成15年12月に調査したラジシャヒにある4つの村のうち、患者の多かったノバイボッタラ村で、3月と7月に延べ2、200人を調査した。この4ヶ月間に発症した15人の患者(1名死亡)のうち、14人が3月の時点で尿診断法陽性であったことから、この方法が早期診断に役立つことが示唆された。調査は現在も継続中で、平成17年3月にも疫学調査を行う。 患者の早期発見・早期治療により、重症化を防ぎ治癒率の改善がはかれるものと期待される。 (4)媒介昆虫の調査 7月に行なった調査で採集されたサシチョウバエが、VL症を媒介するPhlebotomus argentipesと同定された。
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