研究課題
基盤研究(B)
内臓リーシュマニア症の早期発見と早期治療を目的として、以下の調査、研究を行なった。(1)尿ELISA法改良のためのリコンビナント抗原の作成有用な診断用抗原としての組み換えタンパク、rKRP42が作成できた。高感度で、特異性の高い尿ELISA法のための抗原の安定供給が可能となった。(2)簡便かつ非侵襲性の新たな免疫診断法の開発内臓リーシュマニア症(VL症)の「尿」診断法として、抗ヒトIgGを結合したプレートを用い、尿中の特異抗体を検出する新たな方法を開発した。この方法は肉眼で陽性の判定が容易にできること、洗浄操作が必要無いことなど、設備が整わない流行地での診断に適している。(3)尿診断法の流行地への応用と評価平成15年12月に調査したラジシャヒにある4つの村のうち、患者の多かったノバイボッタラ村で、平成17年3月と7月、平成18年3月にVL症の調査をした。この1年間に発症した15人の患者のうち、13人が発症前に尿診断法陽性であったことから、この方法が早期診断に役立つことがわかった。患者の早期発見・早期治療により、重症化を防ぎ治癒率の改善がはかれるものと期待される。(4)媒介昆虫の調査ノバイボッタラ村で平成17年7月の調査で採集されたサシチョウバエが、VL症を媒介するPhlebotomus argentipesと同定された。平成18年3月の調査では、合計71匹のサシチョウバエが採取された。そのうち80%がP.argentipesと同定され、最近の同村でのVL症の多発が媒介昆虫の調査からも裏付けられた。(5)調査地の地図の作成GPS携帯端末と衛星写真(Google Earth)を利用することで、調査地の地図を作成し、各家屋の詳細な配置を把握することができた。これを使い、内臓リーシュマニア症の発生状況を解析中である。
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