研究課題/領域番号 |
15406020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40182240)
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研究分担者 |
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (00346925)
長谷部 太 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (20253693)
津田 良夫 国立感染症研究所, 室長 (20207393)
只野 昌之 琉球大学, 医学部, 助教授 (80179712)
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キーワード | デング熱・デング出血熱 / 熱帯病 / 蚊媒介性疾患 / 血小板減少 / ウイルス性出血熱 |
研究概要 |
デングウイルス感染症の重症型であるデング出血熱の宿主と病原体の解析を実施した。 1)フィリピン、ベトナム、バングラデシュにおいて研究期間中に発生したデングの流行中に患者血液からデングウイルスを分離してその分子疫学解析を実施した。その結果、バングラデシュにおいてはデング3型のアジア由来株、ベトナムにおいてはベトナム固有種と考えられるデング4型株、フィリピンにおいてはフィリピン土着と思われる1〜4型までの全てのウイルスを分離した。これらの地域においてはすべて軽症のデング熱と重症のデング出血熱が流行しており、いずれの血清型のウイルスにおいても重症型が発生することは明らかであったが、とくにバシグラデシュにおいては成人の患者でしかもデングウイルスに初感染で多数の重症患者が発生していた。この事はウイルスに成人を重症化させる変異が発生したことを示唆しており、現在ウイルスの全塩基配列を解析している。 2)ベトナムの患者末梢血のフローサイトメトリー解析から、感染初期にB細胞系の細胞群に多量のウイルス抗原を認める患者が発見された。この患者から蚊細胞とヒトB細胞系細胞で各々ウイルスを分離した。これは従来のデングウイルスの感染向性とは異なる所見であり、デングウイルスのヒトでの感染標的細胞が必ずしも同一のものではない、即ち多種の細胞を標的としうることを示唆しており、今後デング感染症の重症化メカニズムを同定する上で極めて重要な発見である。
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