研究課題/領域番号 |
15406028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
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研究分担者 |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
石埜 正穂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30232325)
小島 和暢 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20264517)
鷲見 紋子 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10363699)
三瀬 敬治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30200025)
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キーワード | ロタウイルス / 下痢 / 成人 / アジア / G型 / P型 / NSP4 |
研究概要 |
今年度は3年間にわたる本研究の最初の年に当たるため、まず海外の共同研究者(中国、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、インド)に対し本研究の目的、方法について説明(訪問の際に、あるいはメール等にて)を行い、了承を得た。また本研究は疫学研究であり、ロタウイルスの検出にあたり、患者由来の便材料を使用するため、インフォームドコンセントの取得、患者情報保護等の倫理的問題に対する方策・規則を作成した。これは札幌医科大学倫理委員会において承認(平成15年8月20日)され、海外共同研究者の同意を得て現在実施されている。共同研究に参加している各国との研究進展状況を以下に説明する。中国(武漢市疾病予防対策センター)では2001年から保存されている成人下痢便検体について、主にA群ロタウイルスの検出と解析を行った。調べられた845検体のうちロタウイルス陽性は80検体(9.5%)であり、これらに対しELISA法およびRT-PCRによる型別法により、G型、P型、亜群、NSP4遺伝子型の型別を行なった。バングラデシュでは昨年からの下痢便の調査で約5%の検体にA群ロタウイルス、2検体にB群ロタウイルスが検出され、このほか群不明の非定型的なロタウイルスが見つかった。現在B群ロタウイルスについて遺伝子学的解析を行うと共に、非定型的ウイルスの本体を遺伝子学的に解析中である。インド、タイ、ミャンマーについては現地での便材料収集とそのウイルス学的解析が共同研究機関において進行中である。一方、B群ロタウイルスの病原性発現機序の解明のため、非構造蛋白NSP4の解析も進められた。その結果B群ロタウイルスのNSP4の構造はA群、C群と大きく異なるもののマウスに下痢を誘発する活性があることが判明し、NSP4の下痢誘発性はA, C群とは異なることが示唆され、現在その機序と蛋白の活性部位について研究を行なっている。
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