研究課題/領域番号 |
15406029
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
圓藤 吟史 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20160393)
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研究分担者 |
鰐渕 英機 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90220970)
北村 真理 大阪青山学院短期大学, 生活科学科, 講師 (40369666)
林 朝茂 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10381980)
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キーワード | ヒ素 / 井戸水 / 有機ヒ素 / 環境汚染 / バングラディシュ / 食品 / リスクアセスメント / 発癌 |
研究概要 |
バングラディシュのPabna地方17の村に住む、180家族の夫婦と子ども、ならびにその飲用水200井戸について2005年5〜6月に調査した。200井戸のうち96(48%)が50μg/Lを超えていた。皮膚の色素沈着を伴った角化は父の36%、母の18%、子どもの0%に認められた。色素沈着のみは、父の9%、母の6%、子どもの3%に認められた。132名の毛髪中のヒ素濃度をPIXE(荷電粒子励起X線放出分析)法で測定したところ、82%が1.0μg/gを超えていた。 ヒジキは無機ヒ素が多く含まれる。体重60kgの男性ボランティアが3ヶ月間、魚介類摂取制限した後、大豆とともに水煮されたヒジキの加工食品2パック(330g:ヒ酸、亜ヒ、DMA、未同定ヒ素それぞれ629、196、35,12μgAsを含む)を食べ、その後経時的に採尿し、尿中形態別ヒ素濃度を誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)にて測定した。魚介類摂取制限後、無機ヒ素は検出されず、アルセノベタイン(AsBe)は8μgAs/Lまで低下した。摂取後のヒ酸、亜ヒ酸、メチルアルソン酸(MMA)、ジメチルアルシン酸(DMA)の最大濃度は、それぞれ4、6.5、13、17.5時間後に88.1、140.2、179.9、204.7μgAs/Lであった。ヒジキ摂取50時間後、無機ヒ素、MMAは摂取前のレベルに戻ったが、DMAは高い値を維持していた。 大阪近郊に居住する16-28歳の女性38名について2004年の10月と11月の2回採尿し、尿中のヒ素濃度をICP-MSにて測定した。その結果、総ヒ素、亜ヒ酸、MMA、DMA、AsBe、未知ヒ素の中央値はそれぞれ、161.7-120.3、9.6-5.2、3.2-7.7、57.2-38.2、51.1-37.4、8.3-12.7μgAs/Lであった。
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