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2004 年度 実績報告書

中国における慢性砒素中毒の根絶に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15406030
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

山内 博  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90081661)

研究分担者 網中 雅仁  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30231997)
熊谷 嘉人  筑波大学, 医学部・社会学系, 教授 (00250100)
世良 耕一郎  岩手医科大学, 医学部, 教授 (00230855)
キーワード慢性砒素中毒 / 発癌性 / 角化症 / 砒素汚染 / 井戸水 / 根絶 / 予防対策 / 中国
研究概要

中国における慢性砒素中毒患者および発症過程の高濃度砒素暴露者の推計は約300万人に達し、7省の地域で確認され、このうち内蒙古自治区と山西省に多発地域がある。世界の過剰砒素暴露者と患者の推計は約5000万人であり、問題の重要性は多くの国で理解されている。今日、慢性砒素中毒の治療法と予防に効果がある手法は研究段階にあり、国際的な指針の確立が望まれており、さまざまな国際機関や研究者の活動が続いている。
本研究の調査地域は内蒙古自治区のフルホト市にある人口2000名の村民に対して実施した。調査では砒素汚染された井戸水を長期間摂取していた農民を対象に砒素の代謝・排泄、そして、砒素暴露によるDNA損傷の動態について、砒素暴露が近似した親子間を中心に行った。調査対象者の村は500世帯、約2000名の村民で、0.16mg/Lの無機砒素汚染された井戸水をパイプ管方式で給水を受け約7年間使用していた。過去に、井戸水中砒素濃度が正しく検査されたことはなかった。現在、この村の住民に慢性砒素中毒の主要症状である皮膚障害は認められないが、経験則から発症の時期はまじかと判断され継続調査の重要性を強く感じた。砒素暴露を受けていた村民の平均尿中砒素濃度は199±110μgAs/Lで、対照群に比較して約23倍の高値であった。村民は同一の井戸水を使用していることから井戸水の摂取量に依存的に砒素暴露量は決定されていた。家族単位で親子間の尿中砒素と尿中8-OHdG濃度の関係を検討した。尿中砒素と尿中8-OHdG濃度は子供と親の間に差のない実態が示され、このことは小児への無機砒素暴露からの生体影響のリスクは成人に比較して高くなることが推測され、小児への無機砒素暴露の軽減対策の必要性が望まれる。
慢性砒素中毒の根絶計画において、これまで経験のない事例であり、これらの研究成果は病気の発生予防に貢献するものと期待している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Vascular dysfunction in patients with chronic arsenosis can be reversed by reduction of arsenic exposure2005

    • 著者名/発表者名
      Jingbo pi et al.
    • 雑誌名

      Environmental Health Perspectives 113

      ページ: 339-341

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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