研究課題/領域番号 |
15406036
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西尾 久英 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80189258)
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研究分担者 |
野津 寛大 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70362796)
横山 直樹 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20314487)
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10157266)
白川 卓 神戸大学, 医学部, 助教授 (30171044)
西山 馨 神戸大学, 医学部, 教授 (00150061)
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キーワード | 新生児黄疸 / Gilbert症候群 / UGT1A1遺伝子 / G71R変異 / ジャワ・インドネシア人 / マレー・マレーシア人 / DHPLCスクリーニング |
研究概要 |
アジアでは、新生児黄疸の発現頻度は高く、重症化しやすい。最近、東アジアの新生児黄疸では、UGT1A1遺伝子G71R変異(コドン71のグリシンがアルギニンに置換されている)に基づくGilbert症候群が強く関連していることが明らかにされた。我々は、この変異が東南アジアで多発する新生児黄疸にも寄与しているか否か調べるために、ジャワ・インドネシア人とマレー・マレーシア人を対象に、この変異のスクリーニングを行った。本研究では、68人のジャワ・インドネシア人成人と68人のマレー・マレーシア人新生児(黄疸のある児32人と黄疸のない児36人)を被検者として検討した。G71R変異をスクリーニングするためにDIIPLCを用い,結果を塩基配列解析によって確認した。DHPLCスクリーニングで、2人のジャワ・インドネシア人成人および5人のマレー・マレーシア人新生児のUGT1A1遺伝子にG71R変異が存在していることが明らかになった。68人のジャワ・インドネシア人成人において、G/G型66人、G/R型2人、R/R型0人であり、その71Rアリル頻度は0.015であった。68人のマレー・マレーシア人新生児において、G/G型63人、G/R型5人、R/R型0人であり、その71Rアリル頻度は0.037であった。また、マレー・マレーシア人新生児の黄疸群と黄疸なし群の遺伝子型の分布については、有意差を認めなかった。結論としては、ジャワ・インドネシア人、マレー・マレーシア人においてもUGT1A1遺伝子上にG71R変異は存在するが、その頻度は非常に低かった。現在、マレーシア人新生児に多く認められるUGT1A1遺伝子変異を検索しているところであり、今後Gilbert症候群とglucose-6-phosphate-dehydrogenase欠損症との合併が新生児黄疸の重症度に及ぼす影響についても検討する予定である。
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