研究課題/領域番号 |
15406036
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西尾 久英 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80189258)
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研究分担者 |
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10157266)
竹島 泰弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40281141)
横山 直樹 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20314487)
西山 馨 神戸大学, 医学部, 教授 (00150061)
白川 卓 神戸大学, 医学部, 助教授 (30171044)
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キーワード | 新生児黄疸 / Gilbert症候群 / UGT1 A1遺伝子 / G71R変異 / G493R変異 / マレーシア人 |
研究概要 |
1 (Gilbert症候群と新生児黄疸)最近、東アジアの新生児黄疸では、UGT1A1遺伝子G71R変異に基づくGilbert症候群が強く関連していることが明らかにされた。我々は、昨年に引き続き、UGT1A1遺伝子変異が東南アジアの新生児黄疸にも寄与しているか否か調べるために、105人のマレー・マレーシア人薪生児(黄疸群55人と非黄疸群50人)を被検者として、変異の有無をDHPLC法でスクリーニングし、結果を塩基配列解析によって確認したところ、G71R、G493R変異を検出した。 2 (G71R変異)G71R変異については、黄疸群ではG/G型52人、G/R型3人、R/R型0人であり、その71Rアリル頻度は0.027であった。非黄疸群ではG/G型47人、G/R型3人、R/R型0人であり、その71Rアリル頻度は0.030であった。従って、黄疸群と非黄疸群の遺伝子型の分布については有意差を認めなかった。また、黄疸群のG/R型3人は母児間血液型不適合を有していたのに対し、非黄疸群のG/R型3人は母児問血液型不適合を有していなかった。 3 (G493R変異)G493R変異については、黄疸群ではG/G型54人、G/R型1人、R/R型0人であり、その71Rアリル頻度は0.009であった。非黄疸群ではG/G型50人、G/R型0人、R/R型0人であり、その71Rアリル頻度は0.000であった。また、黄疸群のG/R型1人は母児間血液型不適合その他の黄疸危険因子を有していなかった。 4 (結論)マレー・マレーシア人集団ではUGT1A1遺伝子変異の頻度が少なく、同集団の新生児黄疸多発の原因と考えることはできなかった。また、UGT1A1酵素の活性は、遺伝子変異によって異なっていることが予想された。
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