研究課題/領域番号 |
15500004
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
長岡 浩司 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (80192235)
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研究分担者 |
韓 太舜 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80097287)
藤原 彰夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30251359)
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キーワード | 情報幾何 / 量子情報幾何 / 量子情報理論 / 量子推定 / ボルツマンマシン |
研究概要 |
1.RLD(右対数微分)に基づいた量子状態空間上のリーマン計量(RLD計量)は、無数に存在する単調計量の中で最大であることが知られており、推定理論的にも重要な意義を持つ。この計量は純粋状態空間上では∞に発散してしまうが、計量行列の逆行列は有限にとどまり、推定論的な意義も保たれる。我々は、このような事情が、複素化された余接空間上の幾何学を通して自然に理解できることを示した(Proc.COE-Kakenhi workshop on Quantum Information Theory and Quantum Statistical Inference)。 2.指数型分布族とその上の双対平坦構造は、古典情報幾何において理論の要に位置する重要な概念である。我々は、無数に考えられる指数型分布族の量子対応物のうち、推定論的に重要な意義を持つSLD(対称対数微分)にもとづいた量子指数型分布族に注目し、特に純粋状態から成る量子指数型分布族上の双対平坦構造が、複素射影空間(=純粋状態空間)上のFubini-Study計量(=SLD計量)の成すケーラー構造と密接に関係することを示した(Proc.2nd International Symposium on Information Geometry and Its Applications)。 3.ボルツマンマシンは確率的ニューラルネットワークの一種であり、その平衡分布の成す集合は指数型分布族を成すことが知られている。我々は、量子相対エントロピーおよびBKM計量から導かれる量子情報幾何構造の観点からボルツマンマシンの量子対応物を考え、古典的な場合との類似と相違について考察した(Proc.EQIS 2005)。 4.その他の関連研究として、古典マルコフ過程の情報幾何学的構造、量子通信路の推定理論とその幾何構造、ユニバーサルデータ圧縮の一般理論などについて研究および発表を行った。
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