研究概要 |
平成18年1月にニューメキシコ州立大学(アメリカ)に滞在した。構成的数学における計算可能性と計算の複雑さ(特に、商位相空間の構成方法)に関する講演を行うとともに、Ray Mines名誉教授と構成的数学と計算可能性および計算の複雑さに関する討論を行った。また、準分離空間と近傍空間に関しても意見交換を行い、共著論文(Quasi-apartness and neighbourhood spaces, Annals of Pure and Applied Logic掲載予定)の結果の発展に関して議論を行った。 2月にはミュンヘン大学(ドイツ)を訪問し、海外共同研究者のPeter Schuster講師と構成的数学における計算可能性と計算の複雑さ、準分離空間と近傍空間に関する共著論文(前掲)の結果の今後の展開、およびBaireの定理といくつかの非構成的原理との関係について意見交換および討論を行った。また、Josef Berger博士と共著論文(Brouwer's fan theorem and unique existence in constructive analysis, MLQ Math.Log.Q.51(2005),360-364)の結果の発展、一様連続性定理とfan theoremとの関係について意見交換および討論を行った。 3月にはカンタベリー大学(ニュージーランド)へ移ったJosef Berger博士を招へいし、構成的数学と計算可能性および計算可能性に関して意見交換を行うとともに、一様連続性定理とある種のfan theoremの同値性およびその証明に必要な弱い選択公理について議論を行った。 これらの研究によって、構成的数学における計算可能性および計算の複雑さを「構成的逆数学(Constructive Reverse Mathematics)」として捉えなおす意義が明らかになってきた(Constructive reverse mathematics : compactness properties, In : L.Crosilla and P.Schuster eds.,From Sets and Types to Analysis and Topology, Oxford Univ.Press,2005,245-267参照)。
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