研究概要 |
本年度は,拡張正規表現対する検索アルゴリズムの改良とアルゴリズムで使われる有限オートマトンの最適化について,以下の研究を行なった。 1.有限オートマトンの最適化と検索アルゴリズムへの応用 正規表現からできるだけサイズの小さい有限オートマトンを求めるための高速アルゴリズムを開発した。さらに、検索アルゴリズムに適した有限オートマトンを求めるため、開発した検索アルゴリズムにいくつかの有限オートマトンを実装し、実際の性能を評価した。これにより、単にサイズの小さいオートマトンが優れているというわけではなく、サイズが大きくてもシミュレーションに適した構造を持つオートマトンのほうがよい性能を示す場合があることを示した。 2.多様な論理演算への対応 最初に開発した拡張正規表現に対する検索アルゴリズムは、論理和、論理積、否定だけに対応可能であった。この機能を拡張し、ユーザが任意の論理演算を自由に定義できるようにアルゴリズムを改良した。これによって、ユーザは演算を自由に定義し、検索に利用することができる。このような拡張に当たっては、元々のアルゴリズムの性能を落とさないように、ユーザが定義した演算を自動的に解釈し、実行するような仕組みを考案した。
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