研究課題/領域番号 |
15500012
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
伊藤 暁 山口大学, 工学部, 助教授 (10159858)
|
研究分担者 |
王 躍 山口大学, メディア基盤センター, 助教授 (30263792)
井上 克司 山口大学, 工学部, 教授 (60034419)
|
キーワード | L-システム / 伝統的パターン / 断層画像 / CTスキャン / 回転入力 / 2次元有限オートマトン / 連結性 |
研究概要 |
まず、純粋な理論ではあるが、2次元画像上で動作するオートマトンの認識能力に関して,回転入力をもつ3方向2次元決定性有限オートマトンにおいて、結合するオートマトンの個数に関する受理能力の階層性、AND型とOR型の比較不能性等の結果が得られた。この種のオートマトンはCT(Computer Tomography)に代表される断層画像技術をモデル化しており、2次元画像を様々な方向から走査(投影)し、得られた複数の低次元情報を1つに統合することで原画像の特徴を判別するという2段階の動作からなる。本結果は、特定の圧縮操作を行うことで原画像の情報がどの程度欠落するかを理論的に例示している。 また、2次元交代性インクドット有限オートマトンは2次元非決定性ペブル有限オートマトンよりも真に受理能力が高いかどうかという長年の未解決問題を解決できた。これらの2次元オートマトンはいずれも2値画像の連結性を認識できるという事実を考えれば、実用的にも興味深い結果である。 なお、現時点では未投稿論文ではあるが、L-システムと呼ばれる形式文法を用いた伝統的パターンの生成に関する研究も行った。具体的には、日本で馴染み深い桜・梅・松・竹などの樹木や和紙に描かれた模様を表現する際の最適な文法パラメータを探索し、市販のレンダリングソフトを用いてCG画像を作成した。その結果、各樹木の特徴を的確に捉えるようなパラメータの規則性をそれぞれ見出すことができた。
|