研究概要 |
本研究は,並列プログラミングを支援する一つのアプローチである「スケルトン並列プログラミング」に注目し,実用的なスケルトン並列プログラミングシステムを構築することを目標としている.今年度は,理論面における考察に加え,実働システムの基本部分の構築を行い,以下のような成果を得ることができた. 1.適切なスケルトンをいかにして選択し(スケルトンの適切な選択),選択したスケルトンをいかにして組み合わせる(スケルトンの適切な組合せ)か,という問題に関しては,適切な選択と組合せを抽象化したaccumulateスケルトンの提案と有効性を検証した. 2.スケルトンの組合せをいかにして最適化するか(スケルトン組合せの適切な最適化)という問題点については,簡易的な融合変換手法(shortcut fusion)を考察し,ある程度の効果を確認することができた. 3.実働システムについては,基本的なスケルトンに加え,accumulateスケルトンを提供するような,C_<++>とMPI(Message Passing Interface)を用いる基本システムを構築した.この基本システムは,上記の簡単な融合変換も行うことができる.
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