研究課題
巨大な探索空間をもつ人工知能応用問題に対して、並列計算を含む高性能ハードウェアを生かした探索アルゴリズムの研究は非常に進歩し、従来解けなかった問題が解けるようになった。その基礎技術の一つに局面表技法がある。本研究の目的は、この局面表技法を中心にして、高能率で一般的な新しいデータ構造と探索法を開発し、理論的解析と応用例による新しい技法を評価するとともに、未解決問題の解決を試みるものである。本年度は、4年間の研究の2年目にあたり継続研究として、局面表の一般的定式化、理論解析、3つの問題への応用を取り上げた。3つの問題とは、並列選択、協力詰、ヘックスである。特に、3番目の応用について、2000年にvan den Herik (2000)があげたゲーム研究の未解決問題のうち、ヘックスに関する課題の一つを解決した。具体的には、ヘックスにおける必勝手順を構成的に示す方法として、ユニオン連結の概念を導入して、その応用として、大きさ7×7および8×8の盤に対する著しく簡潔な証明を与えた。従来の理論的手法やコンピュータ援用の計算によっては、証明が不可能であったとか、人間の理解が難しい複雑な証明しかえられなかったのに対して、本研究により、コンピュータを使う必要もなく、人間が容易に理解できる範囲まで証明を簡単化できた。この結果は10月のワークショップで発表した。
すべて 2005
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Image and Vision Computing 22, 1
ページ: 59-71