研究課題
本年度は、昨年度までに考案した双方向同時に非同期データ転送が可能な「双方向同時多値2線1相方式」の回路構成を種々検討した。本方式では、単方向の非同期データを転送する「単方向多値2線1相方式」と比べ、モジュール間で双方向同時にデータ転送できるにもかかわらず、多値電流信号レベルが7値(単方向では6値必要)でよく、多値レベルを効率的に活用できる。この符号化レベルの高効率化は、回路実現上において高性能化に寄与する。すなわち、双方向にデータを転送していながら、識別すべき多レベル電流信号は1値のみの増大で済むこととなるため、単方向多値2線1相方式を2個使用する場合と比較し、本方式が非同期データ転送サイクル全体として高速化が達成されることとなった。また、多レベル電流信号の識別をできるだけ高速に実行するために、比較回路にシュミットトリガ回路を活用する方法も検討した。すなわち、シュミットトリガ回路は自身の出力信号をフィードバックする構造を有していることに着目し、これを提案回路にも活用することで信号の立上り(立下り)を急峻にする方法を検討した。この結果、数10%程度の高性能化が達成できることを明らかにした。さらに、これらの回路技術の有効性を評価するため、HSPICEシミュレーションによる性能比較と共に、東京大学VDECセンターにより0.18ミクロンCMOS試作を行い、提案回路が所望の性能を実現できることを明らかにした。。これらの研究成果は、多値論理研究で最も権威のあるISMVL(多値論理国際シンポジウム)にて、2005年5月発表に採録決定された。
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Journal of Multiple-Valued Logic and Soft Computing (to be published)(印刷中)
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