研究概要 |
本研究では,作業スケジュールやメディア再生時間長等のユーザの利用目的に応じて,バッテリーの持続時間および通信方式をシームレスにコントロールする省電力に配慮した通信ミドルウェアの設計・開発を目的としている.本年度は,ユーザの利用目的,利用可能無線通信方式,バッテリー残などの情報から,最適な通信手段およびコーデックを計算するアルゴリズムを考案した.PDAおよび無線通信(無線LAN, Bluetooth, PHSなど)を用いた予備実験を行い,コーデック,通信速度,通信方式ごとに,消費電力の概算値を予め求めておき,これらの値を用いて,ユーザの利用目的をできるだけ満たすようなコーデックおよび通信方式を算出した.得られた情報から,メディア変換システム全体のアーキテクチャを設計し,端末からそれらの機能を容易に利用するための基本プリミティブを定義し,ミドルウェアとして設計した.この際,特定のメディア変換サーバに負荷が集中しないように,複数のサーバで分散してメディア変換を行うとか、要求が近い複数のユーザにマルチキャストでデータ配信する機構等を考案して,メディアの受信がユーザから見てシームレスに行えるよう設計を行った.
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