研究課題/領域番号 |
15500049
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
角田 良明 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (40233671)
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研究分担者 |
井上 伸二 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (50264932)
大田 知行 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (90347617)
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キーワード | アドホックネットワーク / クラスタリング / 階層ルーティング / 車車間アドホックネットワーク / スケジューリング / 自立分散 / シミュレーション / 自動車走行制御 |
研究概要 |
平成16年度には、自動車走行制御スケジューリングとアドホックネットワークを中心に研究を進めた。 高速道路において各自動車が車車間アドホックネットワークを利用して周囲の交通渋滞状況に関する情報を収集し、その変化する状況に最適な自動車走行制御スケジューリングを選択し、自動車を走行させる制御手法について提案した。車車間アドホックネットワークでは、交通情報を電波が直接届く自動車だけからでなく、交通情報を自動車間で中継することにより聞接的に周囲の自動からも収集できる。従来手法では、交通情報を基地局に収集していたため、基地局が管理する固定された道路区間を走行中の自動車からしか交通情報を収集できなかったが、提案手法では、各自動車が交通渋滞状況に応じて必要な範囲の周囲の自動車から交通情報を収集できる。シミュレーション実験により、交通情報を自動車間で中継するホップ数を増加させることにより、提案手法は従来手法に比べて平均到着台数を増加させることが可能であることを確認した。 自律分散クラスタリングに基づく階層ルーティングについて提案した。階層ルーティングの機能はクラスタ間ルーティングとクラスタ内ルーティングに分けられる。クラスタ間ルーティングにTORA、DSR、AODVを適用した階層ルーティングHi-TORA、Hi-DSR、Hi-AODVを提案し、これら3つのルーティングをノード総数150の比較的大規模なネットワークにおけるシミュレーション実験でそれぞれTORA、DSR、AODVと比較評価した。その結果、自律分散クラスタリングの効果により、Hi-TORA、Hi-DSRは、各ノードで生成される制御パケット、目的ノードに到達したデータパケットの総数の両観点から比べて大幅な改善が、Hi-AODVは小幅な改善が得られた。また、制御パケットの観点からHi-TORAが、データパケットの観点からHi-AODVが最も良いルーティングであることがわかった。
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