研究概要 |
(1)パイプラインアーキテクチャ設計 これまで提案してきた冗長2進演算に基づくRSA暗号プロセッサの一層の演算速度向上を検討した。RSA暗号化アルゴリズムにおける乗算・剰余計算の1回の演算を階層1、2N回のくり返しを階層2とよぶ。 まず、階層1の演算を最小規模のハードウエアで実現し、階層2の演算をすべてハードウエアで実現する構成を提案した。本構成を構成1とよぶ。構成1によれば、データが連続的に入力される場合の暗号化/復号化速度を、階層1の演算回路の演算速度に一致させることができ、ギガビット帯の演算速度を達成することができる。 次に、不連続データに対する暗号化速度を向上させるため、階層1の演算をすべてハードウエアによって実現し、階層2の演算は2N回のくり返しとする構成を提案した。本構成を構成2とよぶ。 さらに、連続データに対しては構成1を、不連続データに対しては、構成2を選択するという、データの形態に応じてプロセッサの構成を動的に再構成する方法を提案した。本構成によれば、連続データ/不連続データ両者に対して、最高の暗号化/復号化速度を達成することができる。 研究成果を、今後、電子情報通信学会研究会、および、国際会議において発表する予定である。 (2)ギガビットネットワークを利用した遠隔制御実験 ギガビットネットワークを用いて遠隔制御実験を行い、ネットワークを経由することにより、演算遅れがどのように発生するかを実験的に検討した。研究成果は、国際会議:SICE 2003 Annual Conference,および、八戸工業大学異分野融合科学研究所紀要において発表した。
|