研究課題
平成17年度は、前年度までに開発した開放型センサネットワークにおけるセキュア階層化通信の方式を大学内部で大規模な実験システムを用いて実証実験を行うと共に、大学外部の千代田区街中に実際にセンサノードを配置して実世界での実験を行った。まず、スケーラビリティを見るための実験として、Mica Mote上に、SAMONプロトコルを搭載した。SAMONでは、地理上の位置と一対一対応のある階層化ルーティングを行うだけではなく、バックアップパスを持たせて、ノード故障に対するロバスト性を向上させた。実験の中において、ノードを意図的に故障させても、動的バックアップパス形成により、瞬時に通信が再開することが確認でき、SAMONの有効性を確認することができた。次に、「千代田区街中実験」においては、大学周辺にあるビル屋上に実際にセンサノードを設置して、無線メッシュコアネットワークを構築した。このセンサノードは気象観測センサとLinuxコンピュータとで構成され、相互にSAMONプロトコルで通信することとした。このコアネットワークと信頼関係にある歩行者の持つウェアラブルコンピュータとで通信をし、歩行者にデータを提供可能であることも確認された。また、歩行者自身をセンサとみなし、歩行者の傘の開閉をにわか雨信号として、コアネットワークを通して情報配信が可能であることも確認された。以上、学内、学外の2つの実験を通して、3年間の本研究で開発した方式を実証することができた。
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