研究概要 |
インターネットの普及に伴い、サーチエンジンを用いて様々な情報が取得可能となったが,回答が原文書単位であるために利用者の読むべき文書量が多いという問題がある。このため,情報を得るまでに利用者が読むべき情報を少なく抑えるために,自動要約や自動質問応答に関する研究が注目を集めている。本研究では、情報検索インタフェースにおける利用者との対話過程に自動要約ならびに質問応答の両技術を導入し、サーチエンジンの利用者の負担を大幅に軽減することを目的としている。具体的には、注目している文書集合をシステムが動的に複数の関連グループに分類する段階と、利用者がグループを取捨選択する段階を繰り返す対話型インタフェースの枠組みにおいて、利用者の選択に役立つ要約を生成すること、また、絞り込まれた文書集合と検索要求に応じて質問応答解析を行ない、利用者が必要とする情報の候補を推薦することを検討する。 本研究は平成15年度ならびに平成16年度の二年間で検討するが、初年度である本年度は特に以下の知見を得た。 1)質問応答システムの精度向上とNTCIR4 QAC2における評価 我々が提案している探索制御付の質問応答システムにおいて、解生成アルゴリズムを精緻化するとともに探索過程で利用可能な多数決手法を導入することにより、精度を向上させた。その効果を質問応答技術に関する評価型ワークショップであるNTCIR4 QAC2で評価を行い、国内外参加23システム中5位の精度を持つことを示した。 2)Scatter/Gather手法に基づく文書推薦・要約提示機構を有する対話型グラフィカルインターフェースの構築 Scatter/Gather手法における利用者のクラスタ選択過程から適合性フィードバックにより利用者の情報要求を自動的に取得・再検索を行うことにより、絞込まれていく文書群とは独立に新文書を推薦する機構を提案した。さらに、検索結果の文書ならびにそのクラスタをHyperbolic Tree等で視覚的に示すインタフェースを構築した。
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