研究課題
基盤研究(C)
インターネットの普及に伴い、サーチエンジンを用いて様々な情報が取得可能となったが、回答が原文書単位であるために利用者の読むべき文書量が多いという問題がある。このため、情報を得るまでに利用者が読むべき情報を少なく抑えるために、自動要約や自動質問応答に関する研究が注目を集めている。本研究では、情報検索インタフェースにおける利用者との対話過程に自動要約ならびに質問応答の両技術を導入し、サーチエンジンの利用者の負担を大幅に軽減することを目的とした。本研究は平成15年度ならびに平成16年度の二年間で検討し以下の知見を得た。(1)質問応答システムの精度向上とNTCIR4 QAC2における評価我々が提案している探索制御付の質問応答システムにおいて、解生成アルゴリズムを精緻化するとともに探索過程で利用可能な多数決手法を導入することにより、精度を向上させた。その効果を質問応答技術に関する評価型ワークショップであるNTCIR4 QAC2で評価を行い、国内外参加17団体中3位の精度を持つことを示した。(2)Scatter/Gather手法に基づく文書推薦・要約提示機構を有する対話型グラフィカルインターフェースの構築Scatter/Gather手法における利用者のクラスタ選択過程から適合性フィードバックにより利用者の情報要求を自動的に取得・再検索を行うことにより、絞込まれていく文書群とは独立に新文書を推薦する機構を提案した。さらに、検索結果の文書ならびにそのクラスタをHyperbolic Tree等で視覚的に示すインタフェースを構築した。(3)関連する一連の質問群に対する答の抽出手法の検討既存の一問一答型の質問応答システムを前提として、一連の質問に対する照応解析をし、質問応答を行う手法を検討した。特に、照応表現の先行詞同定においては、先行詞候補が補完された質問文候補を一問一答型の質問応答システムに入力し、その解のスコアによって先行詞候補を決定する手法を提案した。(4)語句よりも長い文書部分が答となる質問の処理の検討質問応答システムにおいて物事の性質や素性などその定義を問う質問である定義型質問に答えることを目的として、規則に基づく用語説明の抽出手法と語彙的連鎖に基づくパッセージ検索手法を組み合わせることで定義型質問の答えを精度良く抽出できると考え、その手法を提案した。
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ACM Transactions on Asian language Information processing (採録決定)
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