研究課題
基盤研究(C)
点字楽譜は、2次元的に表現される五線譜を、点字を用いて表記するものであり、視覚障碍者が音楽を楽しむために重要なものである。しかし、楽譜点訳は、点字楽譜の表記法に関する専門的な知識を必要とするため、少数のボランティアが手作業で行っているのが現状であり、需要に応えられていない。当研究課題は、(1)視覚障碍者が直接使用できる点字楽譜の生成を目的とした五線譜から点字楽譜への自動変換と、(2)点訳者が点訳した点字楽譜の校正を支援することを目的とした点字楽譜から五線譜への自動変換の二つの部分課題を含んでいる。(1)ネットワーク環境で楽譜情報を扱うために、MusicXMLと呼ばれる楽譜記述言語が提案されている。本サブタスクで作成された試作システムは、インターネット環境で公開するためにJAVA言語で書かれ、MusicXMLで表現された楽譜の音楽情報から、XSLTとDOMを併用した構文解析により、点字楽譜の文法に対応した木構造を生成し点訳を行っている。試作システムはユーザインターフェースを受け持つクライアント部と変換を行うサーバ部からなる。ユーザは、まず、市販の楽譜読み取りソフト等によりスキャナで読み込んだ五線譜からMusicXMLの形式に変換された楽譜ファイルを作成する。続いて、インターネット上に公開されたページを呼び出し、楽譜ファイルを指定すると、点訳サーバが楽譜を点字楽譜に変換し、結果を返す。システムは、暫定的に公開されている。(URL http://gotoh-lab.jks.ynu.ac.jp/braille_music/)(2)MusicXMLは、五線譜による楽譜を電子的に扱うための形式として標準になりつつある。本サブタスクでは、視覚障碍者に点字楽譜を提供する楽譜点訳者を支援するため、手作業で点訳された点字楽譜を解析しMusicXMLによる五線譜に変換することにより点訳作業の検証を行うためのシステムを、構文解析手法による解析エンジンとMusicXML形式への出力機構で実現した。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (12件)
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