研究課題
基盤研究(C)
本研究では人間にとって心地良く役立つ機器システムやコンテンツ・サービスを開発する際の基盤技術として、ウェアラブル・センサと感情マシンモデルに基づくユーザの意図状況理解に関する先駆的研究を行い、様々な応用場面で役立つ多層感情モデルの基盤的成果をあげることができた。ユビキタス情報環境の進化を想定し、サイクリング、空手、登山、対面型コミュニケーションを応用として、温度や湿度などの環境センサと加速度やジャイロなどの人体モーションセンサを搭載したウェアラブル機器で獲得するセンサ情報に基づき、センサ信号処理、パターン認識、知識処理技術を開発するとともに、それらを統合して人間の意図感情理解の基本モデルを構築し、下記の応用の「場」で成果を得た。【サイクリング】サイクリング活動のドメイン知識として自転車に関する基礎知識とサイクリング時に得られる体験型経験知識を収集し、マルチモーダル知識コンテンツを210項目開発した。サイクリング中のサイクリスト間の意図伝達手段として、無線アドホックネットワークによるコミュニケーション機能を実装し、意図感情の伝達に有効との見通しを得た。【空手】試合中の選手の「意図的行動」と「非意図的行動」を収集するためのウェアラブルデバイスを実装し、データ収集実験を行い、感情を含む駆け引きを表現するための「空手モデル」を提案した。【登山】登山時における疲労を測定するためのデバイス(歩行リズム、体の傾き、体温、湿度、位置)作成と実験を行った。【対面型コミュニケーション】複数人の立ち話の場における状況を理解するため、参加者の立ち位置、顔の向き、発話の有無をデータ化するシステムを開発し、ある発話に対する個人の感情を測定するデバイスとして、「うなずき」行為を収集するためのウェアラブルヘッドセットを試作、データ収集実験を行い、その有効性を確認した。
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