研究課題
今年度は、文字認識技術を使った特異点グラフ類似度計算手法の開発を行った。今日、計算機の処理能力や計測装置の性能が向上してきたことによって、大規模数値シミュレーションや計測装置の測定結果などから膨大なボリュームデータが生成されるようになり、またさらにその数が膨大になることが予想される。それ故、近い将来膨大なボリュームデータを効率よく分類・検索する技術が必要となる。ボリュームデータは3次元格子で定義される数値データであると定義される。分類・検索技術の基本となるのは、2つのボリュームデータに関する類似度計算である。もっとも単純なボリュームデータはボクセルと呼ばれる立方格子で定義される数値データであり、更にこれらの解像度が一致していると仮定して、2つのボリュームデータの類似度を計算する手法として考えられるのは対応するボクセル毎に数値データを比較することであるが、解像度が高い場合、その計算コストは大きくなる。この問題を解決するため、ボリュームデータ間の類似度をボリュームデータから生成される特異点グラフ間での類似度を使って近似する手法を提案する。特異点グラフは、ボリュームデータを単純化して表現したスケルトン形状であり、ボリュームデータにおける極点・鞍点として定義される特異点同士をボリュームデータから定義される勾配ベクタデータを用いて接続することにより作成する。特異点グラフ同士の類似度を計算するために文字認識技術を利用した。文字認識における類似度計算が対象とした計算空間を2次元から3次元に拡張することにより、本研究では2つの手法、通過ボクセル法および特徴ベクトル法を開発した。前者では、特異点グラフをボクセル表現し、2つの特異点グラフの類似度の計算に通過ボクセルの一致度を利用した。また後者では、特異点グラフ同士の類似度を特異点情報と接続情報から定義される特徴ベクトル同士の距離から計算した。
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NICOGRAPH International 2005 (発表予定)
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The 4th IASTED International Conference on VISUALIZATION, IMAGING, AND IMAGE PROCESSING (VIIP2004)
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