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2004 年度 実績報告書

3次元空間認知能力評価のためのユーザインタフェースに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15500067
研究機関大阪大学

研究代表者

伊藤 雄一  大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (40359857)

研究分担者 北村 喜文  大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80294023)
岸野 文郎  大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10283722)
キーワードユーザインタフェース / バーチャルリアリティ / インタラクション / 3次元空間認知 / 認知能力評価 / 心的回転 / 医療診断
研究概要

人の空間認知能力や形状構築能力の評価は,脳の負傷や傷害を検査し診断するための重要な医療ツールであり,さらに脳の認知機能の研究においても不可欠なものである.これらの評価は患者や被験者に,心的回転(mental rotation)のような純粋な認知タスクを与えるだけではなく,ブロックを配置したり,提示された通りにパズルのピースを並べるといった構築タスクを与えることによって実施される.これらの構築タスクは空間認知能力のみならず,知覚・計画・実行といった実際に日常生活で必要とする能力を評価することが可能である。これまでにいくつかの研究において,2次元ではなく3次元形状を用いた構築タスクによる評価が重要であり,有益であることが示されている.しかしながら,3次元形状を用いたタスクにおけるタスク管理者の役割は,被験者へのタスクの提示や,構築途中の3次元形状の記録など複雑なものであり,被験者ごとのタスク完了時間などの記録の整合性と信頼性を確保することが困難であった.
そこで我々は3次元形状構築タスクで使用される各ブロックにマイクロプロセッサを実装し,ホストPCによって被験者がどのような形状を構築しているかをリアルタイムに記録し,タスク終了後に得られたデータを自動的に解析する3次元空間認知能力評価のためのユーザインタフェースを提案・試作する.さらに,これを用いて被験者実験を行い,試作されなユーザインタフェースが被験者の3次元空間認知能力を評価するに十分に精度が高いかを検討する.その結果を利用して,3次元空間認知能力評価を高度に支援する新しいユーザインタフェースを実現するための要素技術を確立することを目的とする.
本年度は,前年度作成したユーザインタフェースのプロトタイプをベースとし,被験者実験で得られた知見を元に,ハードウェアならびにソフトウェアの改良を行った.ハードウェアは,接続・分離の信号線を新たにブロックの接続面に増設することで検出精度を向上させ,また,使用しているネットワーク方式を変更することで速度向上を行った.ソフトウェアではプロトタイプでは被験者の認知能力評価データは実験終了後,オフラインで算出する必要があったが,ターゲット形状と構築形状とを比較する類似度算出アルゴリズムを改良し,リアルタイムな空間認知能力の評価を可能とした.これらにより,実際の医療診断現場におけるフレキシビリティおよびユーザビリティが向上すると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] The soul of ActiveCube - Implementing a flexible, multimodal, three-dimensional spatial tangible interface2004

    • 著者名/発表者名
      R.Watanabe, Y.Itoh, M.Asai, Y.Kitamura, F.Kishino, H.kikuchi
    • 雑誌名

      Proceedings of ACM SIGGHI International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology (ACE2004)

      ページ: 173-180

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Interactive retrieval of 3D shape models using physical objects2004

    • 著者名/発表者名
      H.Ichida, Y.Itoh, Y.Kitamura, F.Kishino
    • 雑誌名

      Proceedings of the ACM Multimedia 2004

      ページ: 692-699

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 点群を用いた機能位置と形状表現による3次元モデル検索2004

    • 著者名/発表者名
      市田浩靖, 伊藤雄一, 北村喜文, 岸野文郎
    • 雑誌名

      電子画像学会第215回研究会

      ページ: 9-15

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Implementation of ActiveCube as an intuitive 3D computer interface2004

    • 著者名/発表者名
      R.Watanabe, Y.Itoh, Y.Kitamra, F.Kishino
    • 雑誌名

      Proceedings of 4^<th> International Symposium (Smart Graphics 2004)

      ページ: 43-53

  • [雑誌論文] On tangible user interfaces, humans and spatiality2004

    • 著者名/発表者名
      E.Sharlin, B.Watson, Y.Kitamura, F.Kishino, Y.Itoh
    • 雑誌名

      Springer Vol.8, No.5

      ページ: 338-346

  • [雑誌論文] ActiveCubeにおけるリアルタイム性の向上とブロックの自律動作に関する検討2004

    • 著者名/発表者名
      渡邉 亮一, ティロー サンデーワ グナティラカ, 伊藤 雄一, 北村 喜文, 岸野 文郎, 菊池 日出男
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 103巻209号

      ページ: 53-58

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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