研究課題
1.手描き風曲線生成支援システムの開発昨年度の研究をベースとして、手描き風曲線の生成支援システムを開発した。本年度は、システムの改良と、様々なプロの手描き曲線を用いて手描き風曲線を生成する実験を行った.その実験により、提案システムは、プロが描いた手描き曲線の特徴を用いて、素人が描いたぎこちない手描き曲線の概形的特徴を残しつつ、高品質な手描き風曲線を生成できることが分かった。この成果を、2005年1月開催の国際会議IWAIT2005(International Workshop on Advanced Image Technology 2005)で発表した。さらに、曲線の太さや濃淡を表現できるように、システムの改良を進めている。この成果は、次年度に発表する予定である。2.曲線の解析および造形支援システムの開発工芸品の例として、日本刀60振り(刀45振り,短刀15振り)の曲線の性質を解析し、それらの日本刀にどのような共通点があるかを調べた。まず、日本刀の曲線をスキャニングし、その刃先の曲線を表す点列データを画像処理で抽出した。次に、それらの点列データから近似曲線を生成し、筆者らが提案した曲線の性質の定量化手法を用いて分析した。その結果を基に、それら曲線に共通する特徴や相違点を考察した。その結果、刀の曲線が5つのタイプに、短刀の曲線が2つのタイプに、それぞれ分類できることが分かった。また、フィギア、日本人形、およびリカちゃん人形の顔の造形的特徴を体系化したものをベースにして、ある被験者の顔の特徴を抽出し、それをある人形の顔に転写するシステムを開発した。これによって制作された人形の顔が、選択した人形のタイプの特徴を残すとともに、被験者の印象を反映しているかを評価した。
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IWAIT 2005: International Workshop on Advanced Image Technology, January, 10-11, 2005, Jeju, Korea
ページ: 515-520
デザイン学研究 Vol.51, No.1
ページ: 77-84