研究概要 |
1.手描き風曲線生成支援システムの開発 本年度は,手描き風曲線の形とともに太さをプロ風に表現する手法を開発した.まず,手描き曲線の輪郭線の骨格から手描きの概形的特徴を抽出する.次に,骨格線から輪郭線の縁までの距離をフーリエ変換して,そのスペクトルの高周波領域から太さの特徴を抽出する.さらに,それらについて素人の特徴をプロの特徴に近づけることにより,高品質な手描き風曲線を生成する.本手法に基づくプロトタイプシステムを開発して,提案手法が有効であることを確認した.この成果は,2006年1月開催の国際会議IWAIT2006で発表した. また,モバイル環境で素人が手軽に美しいイラストを作成するシステムを取りまとめ,その成果を2006年1月開催の国際会議IWAIT2006等で発表した. 2.カーナビの情報デザインを構成する要素とユーザが持つ印象の解明 多様なユーザの価値観に合わせて情報デザインを最適化するため,カーナビの情報デザインを構成する要素とユーザが持つ印象との関係を明確化した.まず,自動車とITSに対する意識調査を行い,調査結果を主成分分析で分析し,カーナビの情報デザインを構成する7要素を抽出した.次に,その要素を用いて実験計画法により8つのサンプルを作成し,8語の評価用語を用いて評価実験を行った.実験結果をもとにt検定を行った結果,ユーザの意識(価値観)の違いによっては,評価用語に影響する情報デザイン要素に相違があることが明確になった.さらに,カーナビの情報デザインを構成する重要な要素としてアイコンだけに再度着目し,その造形や色を変えた再評価実験を行った結果,アイコンをデザインする上での指標を得た.
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