Webサービスの適用範囲を拡大するためには、異なったデータ形式の情報を横断的に検索し処理する機能が重要になる.本研究では、サイトの独立性が強く提供情報が必ずしも信頼できないWebサービス環境においてこのような検索機能を実現する方法を研究開発する.本研究の課題には、類似情報を異なったデータ形式で提供するサイトに対する問合せ方法、複数のサイトから部分的に提供された情報を全体的・統一的な情報に統合する方法、情報の品質を提供サイトや内容の整合性などから判別し質の良い情報を収集する方法、処理の効率化などがある. 本年度はUDDIとWSDLを用いて各種のデータベースのスキーマ情報を統一的に扱うための方法を検討した.クライアントのアプリケーションのWebサービスインタフェース部分はWSDLを元にサービスごとに開発される.現在、Webサービスを実装する方法には、NET環境を用いるものとJava言語で実装する方法がある.このうち、NETは動作するプラットホームが限られているため、研究の基盤としてJava系技術を用いることとした.情報検索の対象としてはテキスト形式を基本とするものと関係データベースの2種類を検討した.テキスト形式の情報検索はサイト内での表現形式が何であっても、WebサービスではXML形式データへの問合せを処理可能とする.関係データベースの問合せは標準的なSQLで行うが、WebサービスではSQLとその解はXMLベースで送受される。両形式のデータの統合をクライアント側で行う方法を検討し、データ統合をXML形式で行う方法を提案した.
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