研究概要 |
Webサービスの適用範囲を拡大するためには,異なったデータ形式の情報を横断的に検索し処理する機能が重要になる.本研究では,サイトの独立性が強く提供情報が必ずしも信頼できないWebサービス環境においてこのような検索機能を実現する方法を研究開発する.本研究の課題には,類似情報を異種のデータ形式で提供するサイトに対する問合せ方法,複数のサイトから部分的に提供された情報を全体的・統一的な情報に統合する方法,情報の品質を提供サイトや内容の整合性などから判別し質の良い情報を収集する方法,処理の効率化などがある.平成15年度はUDDIとWSDLを用いて各種のデータベースのスキーマ情報を統一的に扱うための方法を検討した.平成16年度はマルチデータベース処理方式や情報品質判別方法などの検討を行い,プログラムを設計した.また,一部の機能についてプログラムの試作を行った. 本年度は昨年度までの検討を詳細化し,プログラムを試作し基本方式の実現可能性を検討した.XMLデータベースと関係データベースを対象とし,複数のWebサービスに対する検索・問合せ処理方法について部分的な試作を行いその動作を確認した.検索・問合せ結果のクライアントでの統合を行うためにXMLデータベースの検索結果と関係データベースの検索結果をXML形式で統合する方法の試作を行った.これらの検討によりWebサービスを利用してマルチデータベース検索を行うことによって,関係データベースとXMLデータベースを対象とした柔軟なシステムを構成することが可能であることを示した.XMLデータベースは半構造データやテキストを格納するのに適しているので,この方法をもとに各種のデータベースの情報統合を行うことができる.
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