協同注意制御に基づく視空間エピソード記憶とそのウェアラブルナビゲーションへの適用

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15500075
• 研究機関: 創価大学
• 研究代表者: 渥美 雅保 創価大学, 工学部・情報システム工学科, 助教授 (00192980)
• キーワード: 注意制御 / 視空間エピソード記憶 / ウェアラブルシステム / 競合ニューラルネットワーク / 自己組織学習 / シーン符号化

研究概要

ユーザと認知行動空間を共有・分担してユーザもしくは独自の注視点からユーザの認知・体験を視空間エピソードとして記録し,それらをもとにユーザの日常行動,意思決定,及びコミュニケーションを支援するウェアラブルナビゲーションシステムの実現をめざして,その基礎技術となる注意制御の機構,視空間エピソードの記憶(記録)と想起(検索)の機構,想起に基づくナビゲーションの機構,の研究を行っている.本年度は,3年計画の研究の初年度であり,第一に,ユーザの意図的注意,機械的な規範的注意,及び顕著性に基づく注意のもとで注目スポットを計算するモデルとそれら注意を統合した協同注意構造を学習するモデル,及びそのためのマンマシンインタフェースの基本設計を行った。第2に,オブジェクトの不変・識別認識のための特徴記述モデルの設計を行い,シーンに含まれる注目オブジェクト情報を符号化し視空間エピソードの記憶と想起を遂行するための時間コーディングに基づく競合成長ニューラルネットワークの設計と実装を行なった。そして,実験を通じて,本ニューラルネットワークにより注目オブジェクトのワンショット自己組織化学習による符号化が達成されること,及びそれら注目オブジェクト符号の集合によりシーンの符号化が達成されることを確認した。第3に,ユーザの視野カメラとヘッドマウントディスプレイからなる装着固定型ウェアラブルナビゲータ,及びそれらに自律ロボットAIBOを加えた着脱自律型のウェアラブルナビゲータの構成に関して基本設計を行った。

研究成果

• [文献書誌] Masayasu Atsumi: "Growing Competitive Spiking Neural Network for Saliency-based Scene Recognition"Proceedings of Workshop on Self-Organizing Maps-Intelligent Systems and Innovational Computing-. 2. 299-304 (2003)
• [文献書誌] Masayasu Atsumi: "Saliency-based Scene Recognition based on Growing Competitive Neural Network"SMC 2003 Conference Proceedings, 2003 IEEE International Conference on Systems, Man & Cybernetics. 2. 2863-2870 (2003)
• [文献書誌] Masayasu Atsumi: "Scene Learning and Glance Recognizability based on Competitively Growing Spiking Neural Network"2004 International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN'2004). 2(発表予定). (2004)