| 研究概要 |
3次元ボリューム・データの等値面(またはそれと数学的に等価なスカラー場の陰関数曲面)に関して,以下の計算手法を開発した.
1.等値面上に高密度・一様点群を生成し,これを使ってポイント・レンダリングで高品位に可視化する手法
モンテカルロ法を基にした計算手法である.本手法により,非常に複雑な等値面を高品位かつ高速に可視化出来る.さらに,この手法を応用することで,等値面だけでなく,ボリューム・データ自身の精密な可視化や解析が可能になることがわかった.
2.等値面としてモデリングされた曲面どうしの衝突を精密に可視化する手法
モンテカルロ法を基にした計算手法である.衝突している一方の等値面上でブラウン運動を実行することで,衝突部の確率的な探索を行い,衝突を効率的に発見できる.また,衝突曲線上に高密度な点群データを生成することで,衝突曲線をポイント・レンダリングで精密に可視化できる。
3.新しい領域分割法に基づく並列処理手法
モンテカルロ法と組み合わせることで有効に働く手法である.4面体型の領域分割を基にして,任意の等値面を並列処理で高速に取り出し,同時に,取り出した等値面に関して様々な計算を行うことが出来る,例えば,人体のボリューム・データから,特定の内蔵のデータを高速に抽出・可視化することができる.
4.等値面に簡単に色データを付加し,可視化できる手法
モンテカルロ法と組み合わせることで有効に働く手法である.実空間の等値面と色空間の等値面を同調させることで,複雑な色情報を付加された等値面を容易に可視化することができる.可視化には,モンテカルロ法にもとづくポイント・レンダリングが有効である.
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