研究課題
本年度では、主にWebサービスの連携を記述するフローにおける一貫性と隔離性に対する研究とWebサービスによるe-learningシステム間の情報共有に関する研究という二つの部分に分けて研究を行っていた。次では、それぞれの部分に対して報告する。1.Webサービスの連携であるワークフローに従う実行であるトランザクションが並行実行時に満たすべき性質について検討している。Webサービスの普及に伴って、インターネット上に公開された様々なWebサービスを構成部品として利用し、企業の情報システムを組み立てるという時代が到来する。トランザクション管理については、データベースにおける並行処理制御の分野で以前から研究されてきているが、複合Webサービスにはそのままでは適用できない。本研究では、密結合の複合Webサービスに必要とするトランザクションの隔離性について、次の3つの角度から検討していた。a)操作されるデータ間の従属性の関係の角度、b)入力データと出力データのそれぞれ一貫性上で関係する角度、c)複合Webサービスと対応する集約された操作の角度。さらに、それらの検討結果を踏まえ、WF隔離性というワークフローの特徴を生かした正当性基準を提案している。また、独立に運営される複数のデータベースを利用する疎結合のWebサービスの場合への拡張方法についても与えている。2.現在のWEBベースのe-LearningシステムにおいてSCORM準拠のコンテンツと学習管理システムの開発が進んでいるが、他の学習者との協調学習や相互学習への支援が十分でないといった問題がある。本研究では、WEBサービス技術による広域的学習環境を提案し、その実現方法について検討し、協調学習を支援するための広域BBSシステムの試作を行っている。BBSはe-Learningシステムの最も典型的なコミュニケーション機能かつ統一したデータフォーマットによる情報交換も可能であるため、本研究ではBBS機能を中心に広域学習環境について検討していた。
すべて 2006 2005
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火の国情報シンポジウム2006 C-9-1
ページ: C-9-1
信学技報 ET2005-91
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日本データベース学会Letters Vol.4,No.1
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データベースとWeb情報システムに関するシンポジウムDBWeb2005
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