研究課題
基盤研究(C)
利用可能放送帯域が一定の場合、映像の特性による圧縮の疎密により隙間が生じ、バッファリングを行っても余剰帯域ができる。この余剰帯域を利用して非ストリーム型データの繰り返し放送またはオンデマンド放送を行う。このとき、映像データのなかに、非ストリーム型データをどのように出力するか、帯域中にどう割り付けるかなどを研究する。目標として、マルチメディア放送アルゴリズムの確立、モデル放送システム構築を通じて、アルゴリズム検証と小規模な応用例を構築して、実務的な面から効果を確認する。このような観点から研究を進めた。まず、各種映像について、最大帯域幅と平均帯域幅を計測し、余剰帯域がどのように発生するかを観察した。余剰帯域をバッファリングすることによる遅延と帯域平均化の関係を調べ、その特性を見出した。次に、余剰帯域の利用法としてカルーセル型データ放送を想定したとき、最適な放送スケジューリングが、帯域がフラットな場合と余剰帯域利用の場合と異なるかどうかを調べた。その結果、バッファリングを行い余剰帯域の発生がいびつになる場合は最適スケジューリング法を変える必要があることが判明した。また、帯域を圧縮してサーバから回線に出力するとき、どの程度に圧縮されるか、余剰帯域幅が不明である問題があった。この解決法として映像送信タイミング時に1計測単位だけ遅らせることで余剰帯域を計測する方法と、過去の必要帯域の変動から次のタイミングの必要帯域幅を予測する方法の両面から検討を行ない、前者は一方向の映像中継のような場合は、1計測単位の遅延は大きな問題ではないと判断できた後者の帯域予測方式は研究の結果、帯域変動が激しい場合は予測困難であるとの結果となったが、会議のように変動が少ない場合には、比較的精度が良く、実用に適すると判断できた。応用例として、マルチメデイア記録の改ざんを例に取り上げ、適用の方式の検討を行った。
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