(1)相手の行動の観察を、その能力を判定できるエージェントを開発した。これは異種のエージェントが導入されたのに伴い、正しく異種エージェントに対応するために必要である。 (2)2人または3人がやや長い時間連携するようなチームプレイを発動する短いかけ声を開発した。これは、これまでの反射的な行動を促すかけ声に対してより高度なチームの協調行動系列を促す、進化したかけ声である。 (3)RoboCupサッカーシミュレーションの対外試合等で時折観察される、開発者の意図しないエージェントの不審な行動をどのように修正するかを検討した。その結果、エージェント内に自分の一連の行動を結果として評価するモジュール(エージェント内エージェント)を組み込んで、自己監視または自己評価させる方法を採用し、どの程度の効果が得られるかを確認する予備実験を行なった。エージェントの中にエージェントをもう1個置き、自己の異常行動コマンドを発行直前に検出し、それに対する応急措置を主エージェントに要請するとともに、異常行動をもたらした状況について開発者に詳しくレポートさせた。実験結果から、個々のエージェントの内省と、チームの協調行動としてのいわば群内省に関して、新しい研究方針を固めることができた。 (4)3次元サッカーシミュレーションに対応するための研究を行なった。現在球形である選手を、人間のモデルとしてより自然な円柱としてモデル化する検討を行ない、物理シミュレーションと整合させる技法を開発した。
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