研究概要 |
本テーマは、被写体や撮像系の動きにより位置ずれやボケをともなった画像系列から,目的像の最適復元が可能な画像処理アルゴリズムの開発を目的とし、特に像の動きに対して画像全体で一様な推定精度を実現するにはどのような座標系をとればよいかを解明し,かつその最適座標系において常に理論限界の分解能で画像復元が行える超解像アルゴリズムの開発を目指す。 平行移動と拡大縮小の和として表した任意の像の動きに対して,画像系列からオプティカルフローを推定したときに,画像内のすべての位置で平均的に誤差が最も小さくなるように求まるための最適な画素配列は,一様/対数極座標系(画像の中心付近では一様座標系をとり,周辺部にいくにしたがって対数極座標系をとるような複合座標系)すなわち人間の網膜の受容野分布とほぼ同一構造をとることが予想され、このことをまず一次元信号において導いた。同時に、そこで利用される核関数がフーリエ変換後においても関数の形状を変えないことを数学定理として示した(ICASSP'04にて発表)。この最適画素配列上においてオプティカルフローを計算するとともに,それに基づいて定式化されたダイナミクスで駆動されるカルマンフィルタを構成することを現在検討中である。 また、被写体や撮像系の動きによって画像の高域情報が失われる問題を解決するために、輝度変調と相関演算に基づくアクティブ画像処理を新たに提案し、ブレ修復が可能なことをシミュレーションにより確かめた。
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