研究概要 |
道路面のメンテナンスにおいて、路面に発生したクラックや、路面の構成要素である白線などを検出することが必要となる。本研究では、目視による路面状態の把握作業に実際使用されている路面画像を用い、クラック、白線、ジョイント、マンホールの領域を抽出することを目指している。昨年度までにそれぞれの要素を単独に抽出する方式を提案した。本年度は、主にクラック抽出方式の高精度化と、眼底画像などのカラー画像からの血管領域抽出問題に、これまでに開発したクラック抽出方式の応用に関する研究を進めた。クラック抽出方式の高精度化については、ノイズの抑制に重点をおいている。すなわち、道路面の荒れにより生じた凸凹がクラックと共にノイズとして抽出されてしまう傾向が見受けられた。クラック抽出の一過程である、Top-hatに基づく鞍状点検出画像に対してQ-フィルタを作用させることによりノイズの軽減を図っている。これにより、荒れた路面画像でのノイズの抑制効果が確認されている。カラー画像からの血管領域抽出では、まず、オリジナルのR,G,Bカラー画像をHISなど他の表色系へコンバートし、R,G,B,Y,Iなどの各種のカラーチャネル画像を生成した。これらの各カラーチャネル画像のエントロピーなどを評価し血管抽出問題に適するカラーチャネルの選択法に関する考察をおこなった。また、クラック抽出方式を応用し血管抽出実験をおこない高精度に血管領域が抽出できることを確認した。
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