研究概要 |
1.2画像の特徴点の自動対応づけ 独立に撮影した2画像のそれぞれに特徴点抽出処理を行い,得られた特徴点を2画像間で対応づける処理を自動的に行う方法を開発した.これは仮の対応を計算してはそれを種々の大域的な条件から修正する多段階の方法である.そして,これを用いればモザイク画像生成や3次元形状復元を自動的に行えることを実証した. 2.ビデオ画像からの運動物体の分離 ビデオ画像の初期画像フレームから抽出した特徴点を以降の連続フレーム上に追跡し,得られる特徴点軌跡を背景部分と移動物体部分とに自動的に分離する手法を開発した.まず誤った軌跡を自動的に除去する手法を考案し,さらに分離を最適化する新しい統計的手法を導入した.我々が以前に開発した方法では分離の精度が80〜90%であったが,新しい方法ではほとんどすべての場合に精度が100%となった. 3.その他 画像からの特徴点抽出の不確定さを確立・統計論の立場から理論化し,それに基づく推定やモデル選択の数学的根拠を与えた.また,2画像から3次元復元を行う際のカメラの焦点距離の算出計算を安定化する手法,ビデオ画像上の特徴点追跡の途切れを補う方法,画像列からの3次元形状復元や侵入者検出をより高度化する方法など,多くの有効と思われる方法を発見した.これらについては現在,その有効性についての実験的検証を進めている.
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