研究概要 |
1.画像間の自動対応づけ 昨年度は2画像から特徴点を自動的に抽出し,幾何学的な拘束条件に基く投票と大域的な条件を組み合わせて特徴点間の対応を自動的に定める方法を開発した.今年度はそれを3次元形状復元や画像モザイク生成に応用し,有効性を検証した.そして,より密な特徴点を生成するテンプレートマッチングの手法や,仮の3次元復元形状から誤対応を検出する手法を開発した. 2.ビデオ画像からの運動物体の分離 昨年度はビデオ画像上の特徴点を追求した軌跡が途切れた場合にそれを推定する方法や,それらを背景部分と移動物体部分に分離する方法を開発した.これは追跡した特徴点のみの分離であったが,今年度は特徴点の追跡から背景部分の運動を推定して背景部分を引き去り,移動物体部分のみを画像として抽出する手法を開発した. 3.画像からの3次元復元 昨年度はビデオ画像を用いる方法と2画像を用いる方法が中心であったが,今年度はシーン中の線分の平行性や直交性を利用して1枚の画像からの復元する方法を研究した.そして,誤差があっても安定に3次元形状が計算できる手法を導入した.さらに,シーンの真の形状を保存するような多面体による表手法を開発した. 4.幾何学的推論のための最適推定とモデル選択 昨年度に引き続き,画像からの特徴点抽出の不確定性を理論化し,最適推定やモデル選択の数学的な解析を進めた.その結果,研究代表者が導入したモデル選択基準(幾何学的AIC,幾何学的MDL)や最適推定の精度の理論限界(KCR下界)の意味が明らかになり,応用範囲が広がった.
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