研究概要 |
(1)分光方法として液晶フィルタとカラーフィルタの二通りに方法を考案して,計測システムを構築した.前者は液晶チューナブルフィルタ,モノクロCCDカメラ,パソコンからなり,後者は複数枚のカラーフィルタとモノクロCCDカメラ,パソコンからなる.2つのシステムを用いて実際の物体について分光画像データを取得した. (2)ビジョンシステムのチャンネル数は可視域[400-700nm]で6から31まで想定して,チャンネル数・選択波長帯と分光情報の推定精度の関係を検討した.液晶フィルタのシステムではおおよそ21-31チャンネルを計算機制御できるようにし,カラーフィルタのシステムでは6フィルタを手動で取り替えるようにした.この6バンドが最も効率良いことがわかった. (3)物体表面の分光反射率を推定するために,(i)センサからの直接推定法,(ii)基底関数を用いる方法,(iii)Wiener推定法,の3つのアルゴリズムを開発した. (4)応用問題として,まず電子回路のプリント基板上の要素を識別する問題を検討した.すなわち開発したマルチチャンネル・ビジョンシステムを用いて,プリント基板上の金属線,レジスト,ハンダといった要素の領域処理と材料同定を試みた. (5)さらにディジタルアーカイブ問題への応用を検討した.絵画としては油彩画と水彩画を対象としたが,特に油彩画の表面特性の推定と画像レンダリングの方法を考案した.
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