研究概要 |
ロボットフィールド上方に設置したビデオカメラ(グローバルビジョン),ホストPC1台(画像処理サーバ,通信中継サーバ,リモートブレイン用プログラム),ホストPCに内蔵された画像キャプチャーボード,ロボット2台から構成されるロボットシステムにおいて,今年度は以下の研究を行った. 1)ロボットのマーカ認識において,照明条件に頑健な色抽出法を開発する.そのために,背景色(床面の緑色)とマーカの色(黄と青の2色),ボールの色(オレンジ)の閾値データベースを利用した方式を考案し,評価実験を行った.今回は特に,濃い影の領域を人工的に生成し,影の存在するロボットフィールド上での3色の抽出を試みた.実験では,高い正抽出率と,低い誤抽出率が得られ,提案方式の有効性を確認することができた. 2)ロボス社製の4輪全方向走行型ロボットを使用して,走行制御の学習法に関する研究を行った.昨年度に引き続き,Q学習を用いた学習方式の評価実験を行った.具体的には,ロボット1台が静止状態から目標点へ直進するタスクについての学習実験である.今回は,学習回数の増加と報酬量の変動とによる学習効果の変化について調べた. 3)昨年度までに,マルチエージェントシステムにおける行動学習の例として,獲物と複数ハンターとによる「追跡問題」を取り上げ,方策こう配法を用いた学習方式を提案してきた.今年度は,トンネル型の障害物を設置して学習実験を行った結果,トンネルの両端から獲物を挟み込むという協調行動を学習により獲得することができた.さらに3人のハンターの間で,ある種の役割分担ができていることも確認することができた.
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