研究課題/領域番号 |
15500128
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
清水 裕子 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30143184)
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研究分担者 |
佐々木 和也 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (60292570)
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キーワード | 触感 / 視覚 / 繊維・布地のイメージ / 3次元画像 / 2次元画像 / SD法 / 官能検査 / スカート |
研究概要 |
人間が、布の手触り、肌触りを評価する場合、必ずしも触覚のみで判断しているわけではないと考えられる。経験に基づいた視覚によっても評価に影響を与えていると考えられる。 そこで、今年度は、綿ガーゼ、綿ブロード、綿タオル地、麻平織、絹サテン、羊毛フラノの7種類の布について、実物の視覚と触覚による評価、実物の触覚のみによる評価、実物の視覚のみの評価、画像(ディスプレイ画面上)の視覚評価の4種類の評価方法を用いて、SD法による触感(冷たさ、柔らかさ、薄さ、滑りやすさ、なめらかさ、細かさ、軽さ、しなやかさ、手触りのよさ、好ましさ)の評価を行った。その際に、繊維および布名を知らせる場合と知らせない場合について評価を行った。知らせない場合は、繊維名を判別させた。 その結果、ディスプレイ画面上の視覚評価は他の方法による評価との差が大きい場合が多いことがわかった。また、過去の経験から手触りに関するイメージが確立されていると思われる特徴のある布地は、実物の触覚のみによる評価に対して、すでに獲得したイメージが過剰に影響することがわかった。繊維・布地名を知らせず検査した場合よりも知らせた方が、その布の特徴をとらえて、評価しやすいが、同じくすでに獲得したイメージが過剰に影響することがわかった。繊維判別の正解率が最も高かったのは、触覚のみによる方法であった。日常的によく用いられているものに正解率が高かった。 また、製品(スカート)について、視覚による触感のイメージを検討中である。試料は綿、麻、絹の平織布をそれぞれフレア型、タイト型、バレル型のスカートに縫製したものである。これらのスカートは2次元画像だけでなく、3次元画像も用いて触感に関する官能検査を行った。官能検査は画像のみで行った。3次元画像は、3次元計測装置で計測した後、ポリゴン編集ソフトでレンダリングイメージを作成し、VRMLフォーマットでエクスポートした3次元画像も用いて官能検査を行った。 その結果、視覚のみによる触感の評価に、スカートの形状が大きく影響することがわかった。とくにフレア型は素材のドレープ情報を伝えやすいため、柔らかさやしなやかさに関する評価の精度が高い。しかし、タイト型、バレル型ではいずれの素材も判断しにくい結果が得られた。3次元画像は、2次元画像より奥行き情報があるため、素材の触感を得やすい傾向が見られたが、逆に過大に評価する場合もみられた。
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