研究分担者 |
横井 紘一 信州大学, 繊維学部, 教授 (50334884)
大谷 毅 信州大学, 繊維学部, 教授 (00092867)
橋本 稔 信州大学, 繊維学部, 教授 (60156297)
高寺 政行 信州大学, 繊維学部, 教授 (10163221)
上條 正義 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70224665)
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研究概要 |
本研究の目的はダイナミックデザインシステム、すなわち企画、設計、生産、流通、消費並びにリサイクルなどの一連の技術の流れの中で、大量生産型物作りでは考慮になかった、対話型あるいはオンデマンドといった、感性中心のモノ作り技術を設計することである。具体的には全システムは以下の2つの開発要素から構成される。それらは1.センシングと評価、2.オンデマンド製造技術の開発である。本年度は本手法を寝具設計に応用し,オンデマンドベッドマットレス設計の実現を試みた。 寝具の寝心地は言うまでものなく体型やサーカディアンリズム等の個々人の心理生理的な特徴と密接に関係している。したがって、オンデマンド寝具設計を行なうためには,個々人の心理生理的特徴の計測と,それを寝具設計に生かすシステムの構築が必要である。そこで、心理生理的特徴を把握するために寝姿勢、脈波、体圧分布の測定を行ない、それらのデータを設計に反映するために寝具設計用のシミュレータの開発を行なった。寝姿勢計測は一晩中ビデオカメラを用いて撮影し,寝返りの回数を計数することで寝心地の指標とした。脈波計測は指尖部にセンサを装着し同じく一晩計測し,脈波振幅の変化を寝心地の指標とした。また、体圧分布計測ではシート状の圧力センサを用い就寝時の体圧分布を計測した。これらと同時に官能検査により寝心地の評価も行なった。これらの計測により、ひとりひとりに適切なベッドマットレスの硬さを知ることが可能になった。さらに、これらのデータを設計に反映するために、有限要素法によりベッドマットレスの変形シミュレータを作成した。シミュレータは構造の異なる3種類のマットレスの変形シミュレーションが可能となり、誤差は5%程度であった。なお、本研究はベッドメーカーと共同で進めたものであり、本手法の有効性は製品を通じて今後証明されていくであろう。
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