研究課題/領域番号 |
15500133
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上條 正義 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70224665)
|
研究分担者 |
西松 豊典 信州大学, 繊維学部, 教授 (40252069)
佐渡山 亜兵 信州大学, 繊維学部, 教授 (70273076)
清水 義雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (20150675)
|
キーワード | 肌触り / 手触り / 着心地 / 風合い / 触診動作 / 布地 / 感性工学 / 感性計測 |
研究概要 |
[目的と内容] 本研究では、衣服の着心地の快適性の一要因である服地の肌触りを評価するための肌触り計測装置を構築し、着衣時における衣服と人体との接触に伴う着心地が評価できるシステムの開発を目的として、圧力分布センサと3軸加速度センサを指先に装着したグローブ型センサを作成して指先の触診動作の特定と3次元力覚センサアレーによる接触子の試作を行った。布の風合い評価時における指先の圧力と加速度を計測し、弁別能力に優れた人間の接触動作から材料特性を検知評価するための特有の触診動作を特定した。力覚センサを2次元に配列し、紙やすりやRTVゴムを試料として摩擦特性、圧縮特性、やわらかさについて測定可能であるか調査した。 [成果] 触診動作の特定について、下記の知見が得られた。加速度センサを触診動作特徴検出に利用した場合の出力特性を捉え、触診動作を細かく分類し、規定した基本動作と加速度、荷重の変化パターンを対応づけることができた。風合いの評価項目及び被験者ごとの触診動作の違いが指先の総荷重、荷重中心総移動距離を定量的指標として比較することによって明らかになった。接触子の試作実験において、摩擦試験では、試料に3種類の粗さのヤスリを用いて行い、平均摩擦係数、摩擦係数の平均偏差を算出することができた。圧縮試験では、RTVゴムを試料として用い、加圧時と除圧時の荷重値を測定した。相対的な指標として、圧縮エネルギ、圧縮特性による線形性、圧縮のレジリエンスを導出した。やわらかさ試験では、圧縮試験と同様にRTVゴムを試料として用い、センサに加わる摩擦力と圧縮反力の合力をやわらかさの指標として、市販の硬度計で測定したやわらかさの数値と比較した。結果、高い相関関係が得られ、この指標は材料のやわらかさを評価する上で有効であることが分かった。こうした一連の動作をセンサ、もしくは試料にさせることによって、1つのセンサによって、風合いに関する複数の情報を測定できる性能を得た。
|