研究課題/領域番号 |
15500138
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山口 静馬 山口大学, 工学部, 教授 (80243624)
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研究分担者 |
佐伯 徹郎 山口大学, 工学部, 助手 (40249595)
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キーワード | スピーチプライバシー / 会話音声 / マスキング / 無意味変動雑音 / 定常ピンク雑音 / 背景音楽(BGM) / うるささ / 心理評価 |
研究概要 |
小規模診療所の待合室付近での問診、仮設ブースでの法律相談など、当事者以外の人々が周辺に居合わす開放的な空間におけるスピーチプライバシーの保護が重要となることがしばしばある。当事者同志の会話音声を無意味又は有意味雑音でマスクすると同時に当事者同志の間に接続された特殊なマイクロホン(スロートマイクロホンと呼ばれている)・アンプシステムを使用することによって、スピーチプライパシーを確保するための装置を設計・試作することが目的である。そのためには、周辺に居る当事者以外の人々がうるさく感じないようなマスキング用の雑音をまず選定する必要がある。 このような観点から、多種多様な周波数スペクトルをもつ男性及び女性音声を最も低い音圧レベルの雑音で頑健にマスクするにはどのような雑音を用いればよいかの問題を、室内音響心理実験を通して考察した。具体的には、マスキング効果を評価するための言語表現をまず最初に決定した後、様々なパワースペクトルをもつ数多くの音声とマスキング用雑音を用いて、スピーチフライバシーを確保できる雑音の最低音圧レベル値とその時の雑音に対するうるささの心理的印象を求めた。その結果、次のような知見が得られた。 (1)有意味な背景音楽(BGM)は選曲が難しい上に、無意味雑音と比べてマスキング効果やうるささの心理的印象が優れているとはいえない。 (2)無意味雑音の中でも、様々な音声に対して頑健にマスクでき、しかもうるささの心理的印象が最も小さいのは周波数帯域を[176.75〜5656](Hz)で制限したピンク雑音である。
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