研究概要 |
身振り記述 昨年のプロジェクトの進展が2つの方向性によるものであった。計算学的観点から、私たちは、動的及び静的な姿勢特性を扱うためのジェスチャーの認識システムを修正した。(私たちのプロジェクトの第一歩において)静的な姿勢特性は非常に有効であると証明したが、心理学(Coulson、2004)における研究で立証されているように動的な特徴との統合がいくつかの感情(例えば、恐い)の認識に必要である。さらに、私達は神経科学における研究に基づき、入力層より高い層での動的及び静的な姿勢描写間の水平方向における相互作用を扱うようにニューラル・ネットワークのトポロジーを変更した。姿勢特性の弁別力同様、ネットワークのトポロジーを調整し、そのローバスト性をテストするために広範囲に渡る研究が行われた。結果は私たちの姿勢認システムの性能を大いに向上させた。ネットワークの学習には、4種類の異なる感情(怒った、恐い、楽しい、悲しい)を示す183種類の感情的なジェスチャーが使われた。そのトレーニングセットに任意にノイズを加えた30セット(トレーニングセットに対し各々183種類のジェスチャーを含む)を用意しそれらに対しテストを行った。平均誤謬率は(Coulson,2004),(Picard,2004)に報告されているものより遥かに低い20%であった。 感情を表す姿勢の認識における文化的差異 異なる文化的背景を持つ60人の被験者(日本人、スリランカ人、アメリカ白人)を対象に実験を行った。その結果、恐れに関わる姿勢の認識と評価においては文化間に統計的有意差を認めなかったが、怒り、幸福感、悲しみの強さの評価においては文化間に有意差を認めたこの結果は、ある特定の姿勢が表す感情の強さが、被験者の文化的背景により異なって評価されるであろうことを示しており、我々の電子学習(E-ラーニング)研究に対して重大な意味を持っている。
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