研究課題/領域番号 |
15500161
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
川口 洋 帝塚山大学, 経営情報学部, 教授 (80224749)
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研究分担者 |
上原 邦彦 帝塚山大学, 経営情報学部, 教授 (10232779)
日置 慎治 帝塚山大学, 経営情報学部, 教授 (70238252)
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キーワード | 過去帳 / 江戸時代 / 寺院 / 死亡 / 人口分析 / データベース / 文字認識 / インターネット |
研究概要 |
研究代表者は、日本における持続的人口成長がどのような地域社会の状況下に始まったか、という研究課題を解明するために人口分析システムの開発を進めている。基礎資料の一つである寺院「過去帳」には、死亡者の戒名、俗名、死亡年月日、旦那寺、宗派だけではなく、居住地、死因、死亡地、死亡年齢、生年月日が記録されている場合もみられる。寺院「過去帳」を整理すると、近代移行期における死亡構造を示す人口学的指標を求めることができる。 本年度は、「過去帳」データベース、「過去帳」分析プログラム、および検索利用マニュアルから構成される寺院「過去帳」分析システムを「江戸時代における人口分析システム(DANJURO 3.0)」に組み込み、インターネットから公開した。本システム(http://kawaguchi.tezukayama-u.ac.jp)の利用件数は、2006年3月末に100,600件を超え、国外研究者を含む利用登録者数は25名となった。 「過去帳」データベースには、武蔵国多摩郡下9ヵ寺、美作国真庭郡下1ヵ寺の寺院「過去帳」に記録されている約2万6千人分の死亡者情報が蓄積されている。「過去帳」分析プログラムを用いて、「過去帳」データベースから男女別被葬者数など22項目の指標を算出して、利用者側コンピュータに表示することができる。 研究代表者は、アムステルダム市で開催された第6回European Social Science History Conference 2006においてWhat did the peasants do when they got ill?というセッションをオーガナイザーとして組織して、本システムを活用した、武蔵国多摩郡周辺における牛痘種痘法導入にともなう乳幼児死亡数の減少に関する論文を報告、討論した。 データ入力の効率化を図るため、古文書文字認識実験用の個別文字の採字を継続した。和紙に筆墨を用いて手書きされた合計72字種、約1万4千文字の2値画像を公開して、ニューラルネットによる文字認識実験に提供している。
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