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2004 年度 実績報告書

幼児の社会的行動の発達に関する進化ゲーム論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15500170
研究機関青山学院大学

研究代表者

佐伯 胖  青山学院大学, 文学部, 教授 (60084448)

研究分担者 亀田 達也  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20214554)
刑部 育子  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (20306450)
小林 紀子  小田原女子短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (20331499)
キーワード幼児の遊び / 仲間づくり / 進化ゲーム / 協調行動 / マルチエージェント・シミュレーション
研究概要

本年度は昨年度開発した「幼児の集団作りに関するマルチエージェント・シミュレーション・モデル」(構造計画研究所によるソフト開発)を利用して、幼児の遊びの観察をもとにさまざまなシミュレーション研究を行った。昨年度は、遊びにおける「リーダー」の出現と、特定のエージェントの「リーダー性」が他のメンバーとのどのような関係性のもとに保持されるのかについて注目したが、本年度は、リーダーとフォロワーの相互交渉過程に注目し、遊びの魅力、遊びに加わった場合の拘束性、離脱への抵抗、グループ形成についての園内の自由度、周辺における他の遊びグループの存在、などなど、子どもの仲間づくりに影響すると考えられる多様な要因をコントロールできるシミュレーションモデルを構築したが、その動作特性を十分に探求するには至っていない。学会発表としては、日本認知科学会第21回大会、日本発達心理学会第17回大会などで発表しており、また、昨年と同様、北海道大学COE「心の文化・生態学的基盤」第6回ワークショップ「子どもの社会行動に関する進化ゲーム論的アプローチ」にて発表し、北海道大学の亀田研究室と青山学院大学の佐伯研究室の研究の相互交流を深めることができた。また、一方、幼児の発達過程そのものを、遊びや仲間づくりに焦点を当てて、従来研究の枠を越えた新しいパラダイムへの模索も、分担者の刑部、小林らによって着実に進められており、関係論的発達論の一層の発展が期待されている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 子どもの集団遊びにおける協調と対立の生成過程に関する一考察-マルチエージェント・シミュレーションによる分析-2005

    • 著者名/発表者名
      森平菜津子, 佐伯 胖
    • 雑誌名

      青山学院大学文学部紀要 第46号(印刷中)

  • [雑誌論文] 「けんかする」ということの意味2004

    • 著者名/発表者名
      佐伯 胖
    • 雑誌名

      学び方 262号

      ページ: 4-9

  • [雑誌論文] 遊びを通して遊びをはぐくむ2004

    • 著者名/発表者名
      佐伯 胖
    • 雑誌名

      幼稚園じほう 第32巻第1号

      ページ: 5-13

  • [雑誌論文] 子どもの遊びにおける協調と対立のゲーム論的分析2004

    • 著者名/発表者名
      森平菜津子, 佐伯 胖
    • 雑誌名

      数理科学 第42巻第6号

      ページ: 69-77

  • [雑誌論文] 心の本質的社会性2004

    • 著者名/発表者名
      亀田達也
    • 雑誌名

      基礎心理学研究 第22巻

      ページ: 186-188

  • [雑誌論文] Evolutionary/adaptive thinking as a meta-theory for systematic group research2004

    • 著者名/発表者名
      Kameda, T., Tindak, R.S.
    • 雑誌名

      Group Processes and Intergroup Relations Vol.7

      ページ: 299-304

  • [図書] 「わかり方」の探求-思索と行動の原点-2004

    • 著者名/発表者名
      佐伯 胖
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      小学館

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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