平成15年度に設置した非接触型アイマークレコーダを用いて、パソコン画面を見ているときの注視点の移動を計測するシステムを稼動させ、実験を行った。最近のナビゲーション用のWEBページでは、いくつかのパターンが典型的に見られることから、それらのパターンにしたがったサンプルのWEBページを作成し、利用者の注視点の移動を記録した。具体的には、ヘッダーとフッター、ナビゲーション、コンテンツを構成成分として、それらの位置関係をいろいろに変えてみた。WEBページの構成は2階層として、ファイルは平成16年度に購入したアプライアンス・サーバー上に置き、WindowsのIEで閲覧した。ページの作成は、WEBページ制作を本業とする本学卒業生2名に依頼し、デザインについての議論を重ねながら実験を行った。 平成16年度に得られた結果としては、いわゆる「左上から右下への法則」が典型的に見られ、ナビゲーションは左または上に置かれた場合に検索作業がスムースに進むことが示された。一方、ヘッダーの役割およびナビゲーションとの位置関係は微妙であり、ページの全体構成やコンテンツとの関係を考慮する必要があることが示唆された。構成成分の位置関係だけでなく、そのページが何をどのようにナビゲートすることを目的とするのかによって、検索過程が異なるようである。また、成分ごとの色の効果も調べてみたが、色の組み合わせの効果が明らかに認められるものの、何らかの法則性を見出すまでには至らず、詳細な検討は平成17年度に行うことにしている。コンテンツとの関係や、ナビゲーションの全体構成の検討を平成17年度に行う予定である。
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