研究課題
基盤研究(C)
本研究は、気象や海象の観測データに代表されるように確率構造が緩やかに変化する非定常な時系列に関する統計的推測方法の検討を主たるテーマとしており、確率構造の変化の速度を数学的に与えることによって、統計モデルのパラメータ推定に関する誤差、及び非定常スペクトル密度の推定に関する誤差に関する数学的な評価を行うこと、及びこの手法を確率構造が変化していると考えられる現実の観測データにあてはめ、その有効性について検討することを目的として進めてきた。まず、対象とする非定常時系列が振動過程(oscillatory process)に従い、ある非定常なスペクトル密度の構造をもつという仮定の下で、いくつかの具体的なシチュエーションにおける誤差評価を数学的に行い、その一部の結果についてISI(International Statistical Institute)のコンファレンスで発表した。しかし、この理論的方法は実際面において適用性に乏しいという問題が発生したため、実際面で有用な統計モデルの観点からも研究を進めることとした。本研究では、確率構造の変化が複雑に発生する観測データの例として衛星観測に基づく時空間データを取り上げ、これに基づく新たな統計モデルの構築方法を開発すると共に、その合理性について外挿に基づく予測の精度の観点より評価した。その結果、実用上ある程度満足できる予測精度が全体的に得られ、開発した方法の合理性を示すことができたことに加え、今まで研究が行われてこなかった複雑な時空間現象の究明にもある程度の可能性を与えることができたと確信したので、これを成果として論文にまとめたところ、IEEEG Geoscience and Remote Sensing Lettersに掲載されることとなった。
すべて 2006 2005
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IEEE Geoscience and Remote Sensing Letters Vol.3, Issuel(Forthcoming)
IEEE Geoscience and Remote Sensing Letters Vol.3,Issue1(forthcoming)
Contributed Papers, 55^<th> Session of International Statistical Institute, Australia
Contributed Papers, 55^<th> Session of International Stational Institute